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新世代HIPHOPアーティストTobi Louが見せるフォトジェニックMV紹介

people at concert

音楽とは耳から楽しむ聴覚的コンテンツですが、音楽の持つ世界観をよりわかりやすく視覚的に伝えてくれるのがミュージックビデオ(MV)でしょう。

そこで本記事で紹介したいのが、シカゴ出身の気鋭のラッパー、Tobi Lou(トビ・ルー)です。

日本ではまだあまり知名度はないものの、キュートでポップ、そして時にダークなトビ・ルーのMVは、インターネット上で度々話題にあがるほど人気を誇ります。

トビ・ルーのみせるフォトジェニックなビジュアルセンスは、まさにSNS時代に適応したMVだと言えます。

そこで本記事はトビ・ルーのおすすめMVを紹介。彼の見せる個性的でパッション溢れるその世界観を解説します。

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独特な世界観を持つTobi Lou

ナイジェリア生まれシカゴ育ちのラッパー、Tobi Louが音楽活動をはじめたのは2015年。

それまでは野球選手として活躍するなど、異色の経歴を持つラッパーです。

怪我で引退したのちアルバムデビューを果たし、名前が知られるようになったのは2018年。

まだまだ新鋭のラッパーと言える立ち位置です。

そんな躍進真っ盛りなトビ・ルーの魅力は、独特な世界観と、クールで穏やかなサウンドでしょう。

朝にも聞けるローファイ・ヒップホップとして、さわやかな色調と穏やかな雰囲気を持ちつつ、重低音のサウンドで確固たる個性を示しています。

いつも周りに馴染めず、自分は変だと思っていたトビ・ルーですが、同じシカゴ出身のラッパー、カニエ・ウエストの影響を受けたことで、自身の変わった部分を個性として受け止められるようになります。

そんな彼は、時代のアーティストであるビリー・アイリッシュやリル・ナズ・Xなどがそうであるように、Tik TokやTwitterなどSNSを中心にその名が知られるようになります。

キュートでポップな髪型とファッションに、鍛え抜かれた肉体のギャップ。

見た目でもライフスタイルでも音楽でも確固たる個性と独特な世界観を提示するSNS時代のフォトジェニックアーティスト。

それがトビ・ルーなのです。

自らも手掛けるフォトジェニックなMV

クリエイターとしてマルチな才能を発揮するトビ・ルーは、時にみずからMV監督を務めるなど、非常にクリエイティブ溢れる活動を行っています。

そんな彼のMVの特徴は、キュートでポップでダークな、SNS時代に優れたフォトジェニックなMVという印象を受けます。

シカゴをレペゼンするラッパーであるトビ・ルーは自らの愛するシカゴの町並みを時に丁寧に切り取り、MVの中で美しく映し出しています。

美しいシカゴの町並みに、カラフルな色彩を適切に配置した映像はまさにインスタ映えするような美しさ。

また、そのロケーションも空港や市民プールといった公共施設から、ありふれたようなストリートや草原や街を見下ろせる高台など、印象的ながらどこかありふれたような景色でノスタルジーを喚起するものとなっています。

また、アニメ好きとしても知られるトビ・ルーは全編アニメーションのMVも公開しています。

多彩な才能を持つトビ・ルーだからこそ、自身の持つ音楽性を、直接MVとして視覚化して表現することができるのです。

PRETTY MUCH

PRETTY MUCHのMVにおいて、最も印象的に使われているのはオレンジの色でしょう。

雄大な草原の中でまばらに咲くオレンジの花に、トビ・ルーが羽織るぶかぶかのオレンジ色のジャケットがマッチしています。

雄大で淡いカラフルさを見せる自然の美しさと、トビ・ルーのセンスが魅せるマットな色彩の美しさは、まさにフォトジェニック的な映えを実現しています。。

また、MVの中ではオレンジ色の花のアニメーションも効果的に挿入されています。

マットな色合いのアニメーションは、どことなくノスタルジーを感じさせるイラストレーションとなっています。

MVの最後にはオレンジ色の花が咲く草原をドローンで舐めるように撮影しており、そこにトビ・ルーのぬいぐるみがぼよんぼよんと跳ねたり飛んだりしている、独特な世界観が広がっています。

トビ・ルーのMVの魅力が一目でわかるおすすめMVです。

Waterboy

トビ・ルーのシングル「Waterboy」のMVで注目すべきはスイミングプールでしょう。

シカゴにある広々としたプールを完全に貸切って撮影されたこのMVでは、普段は賑わいを見せているであろうこの空間にはアーティスティック・スイミングチームとトビ・ルーしかおらず、独特の寂しげな雰囲気と切り離されたような世界観を実現しています。

また、屋外プールのシーンでは並々と水で満たされた屋内プールと違い、完全に水が干上がっており、アーティスティック・スイミングの機能的美しさを見せた屋内プールのシーンに対し、自由で奔放な美しさを魅せる対比構造となっています。

そこではパステルカラーの建物に緑々としてヤシの木がシカゴの温暖な気候を感じさせ、よりスイミングプールの爽やかさが際立っています。

トビ・ルー自らMV監督を務め、彼の持つポップな愛らしさと真夏の爽やかさを両立したMVです。

TROOP ft. simino

「TROOP ft. simino」のMVはトビ・ルーのMVの中でも最もダークと言える曲でしょう。

基本的に一つの部屋が舞台のこのMVでは、最初は正常だった世界観もアニメーションのキャラクターが登場したりCGのぬいぐるみが登場したりと、徐々に様子がおかしくなってきます。

トビ・ルーが眼前に広がる光景に目をこらしますも、まるで幻覚のようにサイケデリックな光景は消えることはありません。

MVの終盤、トビ・ルーは実は精神病院で拘束されていることが判明し、精神科医に首の骨を折られてMVは終了します。

このMVで監督を務めるのは、トビ・ルーのMVで度々演出を手掛けるグラスフェイス。

トビ・ルーからの信頼も厚い監督だからこそ、トビ・ルーの持つダークな内面を臆面もなく映像化しています。

トビ・ルーのもう一つの表情を知れる貴重なMVです。

Game Ova

「Game Ova」のMVで重要な舞台となるのはゲームセンターでしょう。

いままでパステルカラーやマットカラーなどを好んで使用されたMVに対して、こちらではゲームセンターの極彩色が印象的となっています。

太陽が明るく照り付け白んでいる外の通りに対して、光が差し込まずゲームの照明がギラギラと輝いている店内は強い対比となっています。

そんな極彩色の中で、最も統一的に使われているのがパープルカラーです。

ゲームセンターの照明も全体的にパープルに近く、印象的な使われ方をしています。

また、このMVでは一人の女性との関係性を強く意識した作りになっています。

その女性が使っている傘の色やファッションもパープルで、細かい点でも色彩を印象付ける丁寧な演出です。

ゲームセンターというごちゃごちゃしたロケーションにも関わらず、一貫性のあるテーマを持って映像化した技術力の高いMVとなっています。

2hrs

「2hrs」トビ・ルーとグラスフェイスがタッグを汲んで撮影したMVです。

青を基調としたライティングに照らされたトビ・ルーは涙のペイントを施し、悲し気にラップを披露します。

背後では青く怪しく光るクラゲが漂い、現実感が希薄なMVとなっています。

ダークながらもカラフルなライティングにどこかシックな曲調のラップで、見たものの心を離さない美しさがあります。

時間も1分半ほどとMVとしては非常に短く、はじめて見るにはおすすめのMVかもしれません。

LINGO STARR

「2hrs」が一分半と短めに対して、「LINGO STARR」のMVは六分半と、大長編とも言うべき長さとなつています。

年々、一曲の長さが短くなってきているアメリカの音楽界としては、異例の長さです。

トビ・ルーとグラスフェイスが共同監督を務めたこのMVは、その長さもあって、多彩で幅の広い映像表現を見ることができます。

広大で高低差のあるシカゴの町を大写しにした景色に、時に現実感が希薄なVFX。

トビ・ルーのファッションは個性的かつ多彩であり、色調はカラフルで見る者の心を奪います。

また、アニメーションを使った映像や、アイコニック敵に使われるトビ・ルーのぬいぐるみも登場します。

まさに、トビ・ルーとグラスフェイスの集大成とも言うべきMVです。

Darlin

MVで度々アニメーションを利用して、自身の分身とも言える独特でアイコニックなキャラクターを使用してきたトビ・ルーですが、「Darlin」では全編アニメーションで描かれたMVとなっています。

キャラクターはどこかキュートでポップなものの、内容自体はトビ・ルーのキャラクターが家にひそむ何者かにずっと痛がらせを受けるというダークなもの。

歌詞自体は、嫌いになってしまいたいのにどうしても心から離れない相手のことを歌う切ないもの。

そんな「Darlin」のMVのラストは窒息死したトビ・ルーが昇天するという衝撃的な内容です。

ですが、昇天した先でもいたずらを受けるという、ダークな中にクスリと笑えるユーモアがあります。

まさにトビ・ルーの独特な世界観がアニメーションによってこれでもかと表現された作品。

チルアウトな曲調ともマッチしてアニメーションでも色あせない魅力が発揮されているMVです。

Tobi Louの持つフォトジェニック・ワールド

独自のスタイルを開発し、それを貫いてきたトビ・ルー。

「変な自分」を肯定して個性に変えた彼のMVは、多くの人の共感を呼び、時に熱狂的な支持を受けます。

そのビジュアルセンスは優れており、SNS時代に進化したフォトジェニックなMVと言えるでしょう。

そしてただ視覚的に優れているだけでなく、チルアウトでローファイ・ヒップホップなサウンドは、哀愁とノスタルジーを喚起させ、朝に聴きたくなるような爽やかなラップ・ミュージックとなっています。

自身を貫くからこそ響く彼の世界観は、まさに多くの人を虜にする魅力にあふれています。

rihokomuto
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