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視覚で社会に訴える!ストリートアーティストの最高峰 バンクシーの魅力を徹底解説!

バンクシー

芸術の話からストリートとはどのようなものなのかと、想像することは難しいでしょう。

岡本太郎は「芸術は爆発だ」と名言を残しています。では飾られている絵画や石像などのものだけが芸術なのでしょうか?

世の中には音楽・伝統芸能などの他にも知られざる芸術が存在します。

今回はその中からバンクシーという人物についてご紹介していきます。

聴く・見る・感じることで人の感性を満たしてくれるもの、それらは全て芸術と呼べるものです。

人だからこそ生み出せた、人々から支持されるものは芸術として残ります。

人の芸術に対する原点は、洞窟に描かれた壁画にあるでしょう。絵を描くという行為は、ストリートから始まっています。

その歴史は現代にまで連なり、現代において最高峰のストリートアーティストの一人としてバンクシーという正体不明の人物が有名です。

ストリートですから、当然壁に絵を描きます。

しかし現代では違法であり建造物等損壊罪や器物損壊罪に一般であれば問われますが、バンクシーは問われません。

ここには明確な理由があります。

なぜならバンクシーの絵は芸術として評価されているからです。

どうしてストリートアーティストが芸術家として認識されたのかが気になりませんか?

今回は、ストリートアーティストとバンクシーについてご紹介していきますので、バンクシーに触れる機会となっていただければ幸いです。

バンクシー公式Webサイト:https://www.banksy.co.uk/faq.asp

世相を風刺したアート

世の中の出来事には、世相が影響しているものが多くあります。

例えば現在、高齢者による車の事故が多発している状況です。これは高齢化社会が進んでいるためでもあり、高齢になると様々な部分が衰えてしまうということの証左だと言えます。

こうした世相を風刺した絵は、新聞などでも目にすることがあるでしょう。

バンクシーはこうした世相を風刺したグラフィティーを描きます。世相を風刺した絵には、皮肉も込められているのです。バンクシーの行動には皮肉めいた部分を感じられます。

今の現状に満足しているのか?

バンクシーのアートからは、人々にそのようなメッセージが込められているように感じられますが、これからバンクシーの絵を見る人の目にはどう映るのか?

芸術はその人の価値観によって捉え方が違うので、そこがまた面白いところです。

感謝を込めてグラフィティーのプレゼント

バンクシーのグラフィティーは様々な場所を選んで描かれており、時には粋な計らいもしています。

バンクシーの地元であるイギリスのブリストルに新設された小学校で、小学生たちは名前を地元の英雄バンクシーに決定したところ小学校の壁にバンクシーからサプライズのグラフィティーが贈られました。

選んでくれてありがとう、という感謝のアートです。

地元の英雄からプレゼントを贈られた子どもたちは喜んだことでしょう。このような経緯で描かれることもありますが、大抵は神出鬼没であり突然描かれることが多いです。

作品から感じ取られる思想

作品を通じて感じられるのは、皮肉です。

そして何より根強く流れているのは、自身の作品に対して高値が付けられるという現状に不満を持ちつつ作品を作り続けているということでしょう。

当たり前のことを主張しているのに、何故作品として認識されるのか?

この辺りの心理には矛盾も出てきます。自身の作品が何らかの収益を上げなければ活動していく事はできません。

しかし有名になると人々は勝手に崇めて、自身の知らないところで作品として取引されているという現実との狭間にバンクシーはいるのではないでしょうか。

有名になりたいのではなく、あくまでも自身の主張をしたいだけなのだと声高に叫んでも、ファン心理として当然作品をコレクションしたくなるものです。

芸術業界からは異端として見られているようで、しっかりとした評価をされていません。過去という色眼鏡を外して、グラフィティー全体を見ることも必要だと考えられます。

常にアンダーグラウンドシーンを意識

バンクシーバービカン

上記でも書いてきたように、バンクシー自身が有名になることを望んでおらず、正体も地元のブリストルの人は知っているでしょうが、野暮なことはしないということで公表していません。

表に出て活動することを望まず、あくまでアンダーグラウンドでの活動を望んでいるのです。

人には承認欲求というものがあります。

認められたい、称賛されたいという欲求は誰もが経験していることでしょう。自身の功績がきちんと評価されなければ、不満を抱きます。

ただ、バンクシーはそういった意識を出さずに、自身を目立たないようにしたいという言動が確認できますので、素晴らしい人物です。

そして何より一番の理由として、グラフィティーが一般的には犯罪であり正体が知られてしまうと面倒なことになるからでしょう。

もし正体が分かってしまうと、世界中を活動範囲としているのに活動が制限されてしまう恐れがあります。気にしていないようで気にしている部分です。

Illegal(イリーガル=違法)なグラフィティーを描くバンクシーは、そのスリルすらも楽しんでいるのかもしれません。

退屈な人生を送るより、スリルのある生活は楽しいですが勇気も必要です。勇気がなければ自由に暮らすこともままならない、筆者がバンクシーに惹かれる部分でもあります。

主な作品(壁画)の多くは既に消されている

ストリートアーティストはバンクシーだけではありません。

多くのストリートアーティストがおり、街の壁は彼ら彼女らにとってはキャンパスです。

いくら有名なバンクシーの作品だとしても、場所が限られている以上上書きされたり消されてしまう運命には逆らえないという現実があります。

これまでにいくつも作品が生み出されてきて、近年バンクシーの作品は残されるようになりましたが以前の作品は消されてしまっている場合が多いです。

Illegal (違法)ということもあり、消されてしまう場合と他のストリートアーティストが上書きしてしまっているというのは先ほどお話ししました。

主に活動拠点はイギリスのブリストルであり、イギリスに多く描かれていたであろうバンクシーの作品たちは、保存されていない限り見ることはできません。

何よりバンクシーが有名になったことで壁ごと盗むという事態も起きています。

ここからはバンクシーの作品の中から残っているものをいくつかご紹介していきますので、もしその地へ行くことがあれば見に行ってみましょう。

現存する作品『ラット』東京ほか

バンクシーはラット(ネズミ)を多く描いています。

都市の中で肩身の狭い暮らしをしているラットを都市で暮らせない、排斥されている人々と自分自身に例えているとのことです。

現代において共感できる人は多いのではないでしょうか? 

なかなか人とコミュニケーションが取れない、周りについていけないなど、何かしらの意味で肩身の狭い思いをしている人は多くいます。

ではこのラットをイギリスまで行かないと、見ることはできないのかと言えば実は近場で見られる場所があるのです。

それは東京都港区臨海新交通臨海線の日の出駅から近い防潮扉に描かれています。発見されたのは2019年ですから、つい最近です。

小池百合子都知事がTwitterでバンクシーの作品かもしれないと投稿したことから、このラットは有名になりました。

専門家によると、このラットはバンクシーの作品の可能性が高いと説明されています。

今ほど有名ではなかったバンクシーが2000年代初めに描いたものだと予想されており、かなり以前の作品です。

ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?日本で見られるバンクシー作品です。

現存する作品『Flower Thrower』パレスチナ

こちらの作品はパレスチナのベツレヘムにあるガソリンスタンドの壁に描かれた作品であり、パレスチナにはバンクシー作品が多くあります。

こちらの花束を投げる男は、中東情勢を象徴している作品です。イスラエルに囲まれる形で存在しているパレスチナ自治暫定政府は、イスラエルとの戦いを続けています。

インティファーダ(イスラエルに対してパレスチナ人の民衆蜂起)はその中心的なものであり、この花束を投げる男はパレスチナ側からのイスラエルに対する意思を表しているのです。

中東情勢を理解していると、この絵の持つ意味がより深く理解できるでしょう。

イスラエルとしても、自分たちの国がやっと作れて維持して行く為には周りの国々と戦い続けなければなりません。だからと言って一般大衆には関係もなく、多くの人々が犠牲になり土地を追われるという不合理な事態を引き起こすのは非難されてしまうのも仕方がないことです。

パレスチナとイスラエル、いつの日か平和が訪れることを願っています。

現存する作品『Les Miserables』イギリス

人々が虐げられている現状を訴える、世相を意識したバンクシーは訴えかけることによって注目するようにと呼び掛けています。

この作品もフランスで警察が難民へ催涙ガスを使用したことに対して抗議しているのです。作品名からも分かるように、ヴィクトル・ユーゴーのレ・ミゼラブルをモチーフにしています。

登場人物であるコゼットの涙が印象的で、催涙ガスが使われたことを強く抗議している作品です。

フランスのカレーには約4500人の移民がいます。

彼らはキャンプ生活をしており、自分たちで望んで移民になったわけではありません。

確かに移民を保護するには経済的に負担が大きくもなります。犯罪も犯すかもしれませんが、全ての移民が犯罪を犯すわけではないでしょう。

彼らは国を追われる羽目になった人々です。そう言った人々になぜ催涙ガスを使ったのか?バンクシーは訴えずにはいられなかったのでしょうか? 

現在は板で覆われて保護されていますが、バンクシーのオフィシャルサイトで見ることができます。

現存する作品『Giannt Titten』パレスチナ

こちらの作品はパレスチナのガザ地区に描かれた作品です。

周りはイスラエル軍の空襲によって廃墟となっており、大きな子猫の絵は際立って見えます。

なぜこの場所だったのか?

オフィシャルサイトでバンクシーが理由を話していますので、要約すると次のような意図です。

人々は自分の興味ある事しか見ようとしない、世界ではこうした悲惨な現実があるので現状を見てほしい、ということでした。

確かに子猫はこの場所に不釣り合いでギャップもあります。子猫は一般大衆を表しているのではないでしょうか。

戦争によって被害を受けるのは一般大衆です。

国がなくなってしまえば元も子もありませんが、国の中で国民の立場は常に不安定でありいつ足場が崩れてしまうのか分かりません。

バンクシーはビデオも公開して、そのビデオを観た国際支援団体が動いています。

作品だけではなく、人々を援助する手引きにもなりました。

まとめ

視覚的な面も含めて、芸術は五感で感じられるものです。

人に授けられた感覚であり、また新たな新ジャンルとしてストリートアートが見直されつつあります。

バンクシーの作品には描かれた地域によって視覚から入る情報と現地から入る情報の2方向から情報が得られます。

この2方向からの情報がバンクシー作品の魅力です。

ストリートアートはまだ広く認知されてはいません。

上記にも書きましたが、Illegal(違法)な行いです。しかし、ストリートだからこそ表現できることもあります。

ストリートアートで描かれるものの多くは、スプレー缶で直に殴り書きされています。

ではバンクシーがどのように描いているのかと言えば、ステンシルという技法です。

描かれている作品が詳細に描かれている点を、疑問に感じませんか?

誰かに見つかってしまうかもしれないのに、あれだけ細かく描けるのでしょうか。バンクシーが取り入れているステンシルは、実践的な技法だと言えます。

描く題材を型紙に描いておいて、作成場所へ持っていき型紙の上からスプレーをしていく。

こうすることで、精巧な作品ができ、尚且つ短時間で作成できるという一挙両得な技法です。

Illegal(違法)な行いだからこそ時間との戦いでもあります。

これからもきっとバンクシーの作品は生み出され続けるでしょう。

どのような作品が生み出されるのか、その作品にはいったいどんなメッセージが込められているのか、世の中のどんなことを風刺しているのか、ぜひ注目してみてください。

rihokomuto
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