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【隠れ家的スポット東西対決】大人の隠れ家で窓や門を額縁に見立てると、映える写真が楽しめる

泉湧寺雲龍院 画像提供Instagramより @snbu様より

大人の隠れ家と呼ぶにふさわしい上質な建物や庭園を訪れた際に、さりげない美意識に驚かされたことはありませんか? 

窓や門を額縁に見立てて旬の風景を楽しませる視覚の演出はその代表例です。大切な時間を過ごしながら、SNSで映える写真もゲットできる内緒のスポットをご紹介しましょう。

額縁による感動的な視覚効果はまさに旬のアート

額縁に入れずに絵画やポスターを壁に直接貼り付けると、どこかぶしつけと多くの人が感じます。

額縁に入れることで、周囲との境界を間延びさせず、中に収める作品の視覚的な美しさをより引き立たせる効果が生まれるためです。

この「額縁効果」は様々な美の表現の場で大切にされています。

女性は艶のある髪を顔の周囲に見せることで、額の美しさを引き立たせることに毎日気を配っているでしょう。

劇場でも、舞台を四角に囲む「プロセニアム・アーチ」があることで、観客は芝居や演奏に自然と視点を集中します。

日本建築・庭園における借景(しゃっけい、近景に遠景を組み合わせる空間デザイン技法)も、日本人がいにしえより愛してやまない額縁効果の一種です。

加えて日本人は四季の移ろいという美意識をとても大切にします。

一流の建築家や庭師ほど、季節感を味わえる旬の借景を巧みに計算し、窓や門、襖を開けた空間から見える額縁効果を最大化する努力を怠らなかったのです。

極上の風情やSNSで映える写真を楽しめる隠れ家、東西対決


・建物や庭園空間が上質で手入れが行き届いている

・額縁の中から見える風景に、四季、昼夜、気候の変化による移ろいが感じられる

・SNS映えするような驚きの構図に収まる

こうした条件が洗練されていれば、どこでも出会える可能性があります。

一般的には京都の寺や文化財指定された建物の様に、時を重ねてきた空間の方がより出会えることが多いでしょう。

しかしどんな構図に風情を感じるかはまさにその人次第。東京やニューヨークの高層ホテルの一室の窓から見える摩天楼の夜景も、多くの人が極上と感じるでしょう。

窓や門、扉、細い路地、トンネル。

四角から丸まで形にかかわらず周囲を囲まれた空間があれば、それぞれに額縁効果は存在します。その何気ない光景に気付いて感動した人が現れれば、額縁効果は生まれるのです。

「なんかこの空間やばい」と思ったら注意深く目に入る光景を観察しましょう。きっと素晴らしい額縁効果が潜んでいます。

東京と京都、いにしえから現代にいたる日本文化が凝縮された二大都市で二か所ずつ、額縁効果を味わえる大人の「隠れ家」をご紹介したいと思います。

知名度は高くなく、人ごみの喧騒に巻き込まれることはまずありません。お忍び、一人旅、女子旅。、大人の時間を費やすには間違いないスポットです。

(注1)新型コロナウイルスの影響により開館時間変更・臨時休館されている場合があります。訪問前に必ず公式サイト等で状況をご確認ください。

(注2)施設側の都合で写真撮影や使用条件が制限される場合があります。写真撮影は必ず現地や公式サイトで条件をご確認の上行ってください。

【東京都】東京都庭園美術館:宮家が愛したアールデコ空間

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日本を代表する高級住宅街、東京・白金台にある東京都庭園美術館は、戦前に世界的に流行したアールデコ建築の日本における代表例で1933年、ニューヨークの著名なアールデコ建築であるエンパイア・ステート・ビルとほぼ同じ頃に竣工しました。

旧宮家(戦前の天皇の男系子孫)の朝香宮の邸宅として建てられたこともあり、限られた人たちだけが体験できた戦前の瀟洒な空間が現代に引き継がれています。

複雑な曲線による装飾を特徴とするアールヌーヴォーとは異なり、続いて流行したアールデコは幾何学的でシンプルなデザインを特徴とします。

シンプルであるがゆえに必要な建築素材の上質感も抜群です。

室内に足を踏み入れると窓から見える緑の芝生に加え、廊下や階段など随所でいにしえの極上を感じさせる額縁効果を体験できるでしょう。

フランスのガラス工芸家、ルネ・ラリックの扉やシャンデリアも、そんな極上感をさらに引き立てています。

東京都庭園美術館の室内は、展覧会開催中のみ見学できます

。知る人ぞ知るアーティストや知られざる時代の文化をテーマにした展覧会が中心で、来場者の多くは洗練されたカルチャーを求める方々ばかりです。まさに白金という街のイメージにフィットしています。

ミュージアムショップに並んだプロダクトや、カフェのメニューを見るだけでも、旧宮家が愛した質感が充分に伝わってきます。

極上の大人の時間をぜひ味わってみてください。

公式サイト:https://www.teien-art-museum.ne.jp/

【京都府】南禅寺:時を重ねた空間を桜と青もみじが彩る

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日本の禅寺の最高格に位置づけられる南禅寺(なんぜんじ)を知らない人は少ないでしょう。

しかし意外なことに、清水寺・金閣寺・銀閣寺といった京都の著名なお寺に比べると格段に観光客は少なく、静かな時間をゆっくりと過ごせる隠れ家でもあります。

南禅寺は、元は鎌倉時代に天皇の別荘として造営されました。

借景となる東山の四季の移ろいと水の流れる音を楽しめるよう絶妙の設計がなされています。

明治になると琵琶湖からひいた疎水を市中に流すための水路閣も造られました。100年以上たった今では京都を代表する極上の景観としてしっかり定着しています。そう、テレビのサスペンスドラマのロケ地として有名な”あの赤レンガ”です。

水路閣のアーチの額縁からは、桜・青もみじ・紅葉・雪化粧といった四季の移ろいを感動的に味わうことができます。

境内正面にある三門の扉の額縁から見える新緑や桜の風景も、京都を代表する撮影スポットとして欠かせません。

御所を移築した国宝の『方丈』から眺める庭園や、江戸初期を代表する作庭家・小堀遠州の傑作・金地院『鶴亀の庭』の究極にシンプルな空間と向き合うと「京都に来てよかった」と本当に実感できるでしょう。お忍びや女子旅に、湯豆腐や朝粥の名店も南禅寺の周囲を固めています。

こちらもお見逃しなく。

公式サイト:http://nanzen.com/

【東京都】:旧朝倉家住宅:東京にこんな和風建築があったのか

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首都圏にお住まいの方でもご存じの方は少ないでしょう。

都内に関東大震災や第二次大戦の戦災を免れた和風建築はほとんど残っていない上に、近年まで永らく一般公開されていなかったこともあり、貴重な文化財としては忘れられたような存在でした。

2008年に一般公開が始まった後、最初にその価値に気付いたのは、急増しつつあった欧米からの外国人観光客でした。

鎌倉や京都に行かないといにしえの和の空間は楽しめないと、東京人は誰もが思い込んでいたのです。

重要文化財にも指定されている和風建築には一部に洋室も設けられています。

周辺の大地主だった朝倉家のような富裕層に当時流行していた建築様式でした。室内はもとより庭園空間でも、映画のシーンに出てくるような大正モダニズムの情緒をふんだんに味わうことができます。

たっぷりの木々の緑に囲まれた室内には、手漉きのガラスを通じて波打ったような光が注いできます。

手漉きのガラスは現代に製造技術が伝承されておらず、割れてしまえばもう再現できません。この光のまろやかさは、100年前の古き良き日本の上質な空間の、かけがえのない生き証人なのです。

庭園に突き出すように設けられた『杉の間』の障子の額縁からは、四季の移ろいを究極に味わえるよう木々が絶妙に配置されています。

庭園は建物の南側、目黒川に向かって下る急峻な崖の上にあります。こうした高台から借景を見下ろす庭の配置は京都にはなく、台地に町が造られた東京だからこそ楽しめる絶景なのです。

公式サイト:https://www.city.shibuya.tokyo.jp/shisetsu/bunka/asakura.html

【京都府】泉湧寺雲龍院:歴代の皇族が心を休めた東山の奥座敷

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京都駅のほぼ真東にある「泉湧寺」。

知らない人は「読み方すらわからないマイナーな寺だ」と思った瞬間に、正座して襟を正さなければなりません。

「せんにゅうじ」は「御寺(みてら)」とも呼ばれるように、皇室の菩提寺なのです。

室町時代から江戸時代までのほとんどの天皇の葬儀は泉涌寺で行われており、明治から第二次大戦までは宮内省の予算で維持運営されていました。

雲龍院(うんりゅういん)は、泉涌寺に数ある山内寺院(いわゆる塔頭)の中でも、別格本山という最高格式が与えられています。

筆者も泉湧寺の山内寺院はほとんど訪れましたが、雲龍院の空間の上質さは別格です。

円形の『悟りの窓』、四枚並ぶ障子の真ん中に窓を設け四つの異なる風情を楽しませる『蓮華の間』。

戦前まではまさに限られた人でしか体験できなかった極上の和の空間であり、京都ならではの感動的な額縁効果を体験できます。

京都駅からはタクシーで10分ほどのところにあるヒミツの隠れ家に、ぜひ潜入してみてください。

まとめ

ご紹介した東西4つの極上の額縁以外にも、秘密の「My額縁」を知っている方もいらっしゃるでしょう。

好奇心をもって「秘密の額縁」を探せば、きっとお気に入りの「My額縁」が見つかります。

美しい空間と映える写真の探求に、結末はありません。


rihokomuto
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