Eye Sight

視覚が惑わされる様々な錯覚!その仕組みとは?

トリックアート壁

視覚から人間は様々な情報を得ています。

人は目で見て物を判断したり、見たものをそのまま捉えがちです。

それほどまでに人間は視覚からの情報に依存しているといえます。ですが、それとまた別に、人は錯覚もよく起こします。

なぜ人は錯覚を起こしてしまうのでしょうか?

視覚から情報を得る以上錯覚はない方が良いものに思えます。それでも錯覚を起こしてしまう仕組みとはいったい何なんでしょうか?

今回は錯覚の仕組みについて考えてみたいと思います。

錯覚は目のせいだけではない?

だまし絵の壁画

目が起こす錯覚、錯視というものは目に以上がないにも関わらず、見えているものが実際のものと違って見えてしまうことです。

ですが、それが目からの情報だけで起こっていると断定できるのでしょうか?

様々な研究から目以外にも原因があるのではということがわかってきました。

目以外に錯覚を起こしてしまうのは、優秀すぎる脳の機能がおこしてしまう場合もあるらしいのです。

優れた脳の機能

なぜ錯視のような現象が起こるのでしょうか?

残念ながら、錯視の種類ごとに原因があって、ひとことで説明することはできません。

なかには、長年の研究にもかかわらず原因がはっきりしないものもあります。その中でもわかっていることはあります。

人がモノを知覚する時、その役割を担っているのは脳です。

視覚からの情報を得ていって、脳は色々な学習をしていきます。そして、やがて目に入った瞬間に自動的に答えを導き出すようになります。

この機能は通常のものの知覚に関しては最適化されていますが、錯覚を起こしやすいトリックアートなどは、この最適化のクセによって間違った答えを出してしまうのです。

つまり、錯視を起こすということは人の目や脳が優れている証拠でもあるのです。もし脳にこの機能がなければ、単純なモノを認識するのにも時間がかかってしまうでしょう。

近代的な研究の始まり

近代的な錯視の研究が始まったのは19世紀の中ごろのドイツです。

最初に発見されたのは、縦線と横線は同じ長さであるが、縦線のほうが長く見えるという「フィック錯視」です。

フィックの錯視
出典:http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/catalog.html

その後、次々と発見・発表されました。

20世紀には、それら発見された錯視を詳しく分析する時代になり、21世紀間近になったころから、コンピュータの発達もあり新発見が相次ぐようになります。

錯視を研究することで視覚に関するさまざまな謎や疑問、メカニズムが解明される、と期待されています。

よく間違われるのですが、視覚情報処理の研究は目の構造の研究だけではありません。

脳が行う情報処理のメカニズムを明らかにすることで、脳、つまり人を理解する研究でもあります。

目や脳、ニューロン、そして、それら同士のかかわり方などなど…心理学者だけでなく、神経生理学者、数学者などと共同で研究を進めるケースも多く見られます。

錯覚の種類

錯視はいったいどのような種類があるのでしょうか?

大きく分類すると5つに分けられそうです。

  • 静止画が動いているように見える錯視
  • 幾何学的錯視
  • 色の錯視
  • 明るさの錯視
  • 知覚的補完の錯視

それぞれが、どのような錯視なのか実例を交えてみていきたいと思います。

静止画が動いているように見える錯視

ヘボの回転
出典:http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/catalog.html

この図はヘボの回転と言われている図です。

眺めているだけで、それぞれの円盤がゆっくりと回転して見えるはずです。

仮に、動画やアニメーションだと感じる方がいたらこの図をプリントアウトしてみてください。

やはり回転しているように見えるはずです。

この錯視が起こる理由は、人の視覚システムが大きく関わってるそうです。

人の目は常に動いており、何かを探しています。じっと見つめている時でさえ、細かく動いているそうです。

目が動けば網膜像は動くことになりますが、止まっている物体に対しては「ブレて」しまう。

それを脳機能が補正しています。

ところが、この錯視ではその網膜像のブレをうまく補正できないために「ぶれて動いているように見えてしまう」わけです。

幾何学的錯視

ミュラー・リヤー錯視
出典:http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/catalog.html

上の図はミュラー・リヤー錯視と言われている有名な錯視です。

矢印が発生している間の長さは先端同士は同じ長さですが、なぜか上の方が短く見えてしまいますね。

これは三次元の認識が関わってきます。二つの線の奥行きが違うと網が処理しているのです。

上の方がコーナーが出っ歯ていて、下の方がコーナーが奥に引っ込んでいると捉えてしまいます。

すると脳の機能は「それぞれ奥行きが違うのだから上下の平行線の長さも違うはずだ」と計算をして錯視が起きてしまうのです。

シェパード錯視
出典:http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/catalog.html

また、上図の赤い四角形部分は同じ形大きさであるにも関わらず、大きさが違って見えます。

これも、三次元の認識が関わっている錯視でシェパード錯視といいます。

ポイントは図に描かれている立体に見える部分です。

この立体に見える部分があるため、赤い平行四辺形を、長方形の立方体と捉えてしまい違う大きさに錯視してしまいます。

図の二次元図形を、三次元図形へと復元しようとする機能によって起こる錯視です。

色の錯視

デヴァロイス・デヴァロイスの市松模様
出典:http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/catalog.html

上の図はデヴァロイス・デヴァロイスの市松模様といいます。

上半分の赤い縞模様が、オレンジと赤紫に見えます。また、下半分は同じ緑の縞模様が、黄緑と水色に見えます。

この錯視が起きる原因は「色の同化」にあるといえます。

色の同化は空間解像度があまり高くないところから起こると言われています。

色を捉えるためには網膜の3つの錐体細胞が必要になりますが、明るさを捉えるためには1つあれば良いので、明るさと比べると色の分解度は低くなってしまうようです。

明るさの錯視

ヘルマン格子錯視
出典:http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/catalog.html

上手も有名な錯視ではないでしょうか、ヘルマン格子錯視といわれるものです。

白い格子の十字路の部分が作詞になっており、灰色の点が見えてしまいます。

しかし、灰色の点を目で見ようとすると消えてしまいます。

このように、見ようとすると見えなくなることもヘルマン格子錯視の特徴です。

ヘルマン格子錯視の一般的な説明は「中心一周辺型」の神経細胞が作用しているというものです。

モノを見るときは目と脳が一緒に動いています。

目や脳にはニューロン(神経細胞)と呼ばれる細胞があります。

この働きのおかげで人はモノを知覚できます。

簡単にいうと、そのニューロンの働きの中で周辺を暗く、中心を明るいと反応するパターンがあり、それが「中心一周型」です。

ヘルマン格子錯視ではそのパターンが発生する場所としにくい場所があり、それの影響で白い格子の十字路が灰色く錯視したり、見ようとすると白くなってしまうというモノです。

視覚的補完の錯視

カニッツァの三角形
出典:http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/catalog.html

上図はカニッツァの三角形といいます。

図には一部が欠けた縁と楔形の線が描かれているだけです。

ですが、なぜか三角形を錯視してしまいます。

本当は存在しない三角形、この存在しない三角形の輪郭は「主観的輪郭」と言われています。

研究の結果から、脳の後頭葉にある神経細胞の中に、主観的輪郭に関わっている部分があることがわかってきた。

つまり、脳が作り出した輪郭である。さらに、主観的輪郭は立体感や明るさも作詞させる効果がある。

中央に見える三角形は周りよりせり出して見えてはいないだろうか、もしくは手前にあるように感じないだろうか?

また、三角形だけ少し明るく見えていないだろうか?

周りは全て白色で一番明るい色なのに、なぜか明暗の印象がついてしまう。

主観的輪郭は脳が積極的に作り出した錯視であるからこそ、図形としての見かけが強まっているとも言えます。

まとめ

目の錯覚、錯視の仕組みについて考えてきましたが、目だけではなく脳の機能や心理状態など、様々な要因で錯視が起きていることがわかりました。

また、錯視が怒ることは目と毛の機能が正しく機能している証拠であることもわかります。

優秀な機能だからこその錯視、それも仕組みを理解できれば楽しむこともできますね。

皆さんも身近にある錯視を探してみてはいかがでしょうか?

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参考

https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/professors/cse/s1gk4u00000441gt-att/20_ito.pdf

https://logmi.jp/business/articles/170583

http://s-park.wao.ne.jp/archives/1259

http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/catalog.html(画像利用可能、改変は不可)

https://f.osaka-kyoiku.ac.jp/tennoji-j/wp-content/uploads/sites/4/2020/08/2011_36_13-18_menosakkaku.pdf

https://mathsoc.jp/publication/tushin/2002/2002sugihara.pdf

http://www.asahi.com/ad/globalj/meiji/

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